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2016年4月26日放送のTBSラジオ系のラジオ番組『ジェーン・スー生活は踊る』(毎週月-金 11:00-13:00)にて、作詞家でコラム二スト、人生の酸いも甘いもつまみ食いしてきた、ジェーン・スーが、リスナーから寄せられた、シリアスな悩みから、トホホな相談まで、一緒になって考える『相談は踊る』のコーナー。

573本目のお悩みです
ある男子運動部の部活の顧問をしている高校教師からの相談

相談というのは、その部活動をやっている生徒が、どうしたらお行儀良くしてくれるかということです。
私も高校までそのスポーツをやっていて、全国大会にも出たことがあり、今、勤務校には、その競技を指導できる先生が他にいないため、顧問を任されました。
最初は、初心者にイチから教えるところから始めたのですが、最近では生徒が、県でもトップ争いをするほどの強さになり、男女の体格、体力の差もあり、ブランクの長い私はもう、まったく勝てなくなってしまっています。
これ、しおりさん、女性の方からですね・・
そのこと自体は良いのですが、問題は大会に出たときに、生徒がおとなしくしていないということです。
いわゆる、ウェーイ的なノリで、会場で騒いだり、相手にきちんと挨拶をしなかったりして、マナーが悪いのです。
毎回注意し、真剣に諭すのですが、その場では神妙に聞いているように見えても、次の大会ではまた騒ぎます。
私が指導者なのに、生徒よりも弱いので、言葉に説得力がないのだと思います。
もちろんそれだけが理由ではないとは思うんですが、一度、マジ切れしてみようかとも思いますが、若い女性教師のマジ切れって、どうしてもヒステリックに見えてしまい、逆効果なのではないか、とか、マジ切れした後、どうやって前向きにその場を収束させればいいのかと、考えて二の足を踏んでおります。
また、スポーツマンシップを大切にしろ、礼儀正しくしろ、ということを伝えるのに、怒鳴りつけるというのも、何か矛盾するように思えて気が進みません。
他の先生に相談したら、反省するまで部活禁止にして、大会にも出さないという提案をされましたが、本当にそれがベストな解決策なのでしょうか?
生徒は皆、一人一人は、それぞれに良い子なのです。
短期間にこれほど強くなったのも、土日も連休もなく、ものすごくよく練習しているからなのです。
なんとか集団での悪ノリをやめさせ、甲子園の高校球児のように、さわやかなスポーツマンシップを発揮させる方法ないでしょうか?
お力をお貸しいただければ幸いです。

学生のノリ


いやー、大変ですねこれ。(スーさん)

これは大変ですよ、わかるなぁ・・(いのうえアナ)

たぶん、若い女性がって、ご自身でおっしゃってるから、20代だと思うんですよ。(スーさん)

で、高校生でしょ、相手が・・(スーさん)




ちょっと近いんですよね、相手が・・(いのうえアナ)

そう、だから・・社会出て、数年経ったら、大したことない歳の差ぐらいの感じですよ、たぶん・・舐めるよね、たぶん、先生のことねぇ。(スーさん)

学生にノリって、おそろしいですからね。(いのうえアナ)




男の子たち集団、女の子たち集団、どちらにせよ、集まると、ちょっと周りが見えなくなって、ウェーイとなっちゃう・・しかも、ちょうど、ドンドン、強くなってきてて、「俺たち、最強だ」みたいになってるわけですよ。(スーさん)

たしかに、たしかに、自信もってるわけですからね・・(いのうえアナ)




北風と太陽作戦


これ、私は、高校野球部のコーチをやっていた時が、大学の時に・・これもまさに、同じことがありましたけど・・私がやっていたのは、北風と太陽作戦っていうか・・(いのうえアナ)

こう、怒っても仕方がない・・だったら、ただ、私、野球部だったので、プロ野球選手とか、メジャーリーグで活躍している方の、行儀の良い方の話しをしていく・・で、その映像を見せる。(いのうえアナ)




例えば、イチローさん・・礼に始まり礼に終わるとか・・道具に対しても、すべて自分で手入れして・・そういう話をして、そのイチロー選手みたいになるんだよって方向に、目を向けていくと・・(いのうえアナ)

ま、そっちになるかなぁという・・感じはしましたけどね・・実体験として・・(いのうえアナ)

ちょっとこう、まあ、知らないのかもしれないですからね・・そういうことまでやるのが、カッコイイってことを・・(スーさん)




そうですね・・自分に自信を持って、県でトップになると、ちょっと・・井の中の蛙じゃないですけど、「あ、俺、できるじゃん」・・ってなりがちなのかなっていう・・(いのうえアナ)

勝って兜の緒を締めよってことを、世界で活躍する・・アーティスト・・アーティストでない、スポーツマンで、見せると・・(スーさん)




生徒の前で怒られろ


スーさんは、どうですか?(いのうえアナ)

いのうえさんの案が・・天使の案というか、正攻法というか、だとしたら・・私は、ダークな案を、今、思いつきましたね。(スーさん)

ほう、いいですね、聞かせてください。(いのうえアナ)




しおり先生、悪魔になってください。(スーさん)

いのうえ先生の策をまず、トライしてみて・・それでもダメだった時だけに・・使ってくださいね、この方法は・・(スーさん)

なんらかの・・仕込み、若しくは、ガチ、どちらでも構いません・・本当でも、嘘でも構いませんので、調子にのっている生徒たちの前で・・しおり先生が、こてんぱんに、怒られてください。(スーさん)




しおり先生が、生徒の前で怒られる?(いのうえアナ)

そうです・・ウェーイとやっている生徒たちの、管理ができない、お前はなんなんだということで、ぼろっかすに言われてください。(スーさん)

教師が失格なのじゃないかとか・・こういうところまで管理できないんだったら、強さでもない、みたいなことでもいいんですけれども・・(スーさん)




そして、全力で生徒を守ってください・・あくまで私の、監督、采配ミスです的なことで・・(スーさん)

不行き届けなんですみたいな・・(いのうえアナ)

そうです、生徒たちに、嫌な思いをさせましょう。(スーさん)




自分達のせいで先生が怒られるというシチュエーション


生徒としては、それを見てるから、あ、自分のせいで、先生が怒られてしまっていると・・(いのうえアナ)

そうです・・で、生徒たちが、いや、俺たちがなんとかって言っても・・その仕込みの人かなんかに・・「うるさい、今、俺はこの先生と話してるんだ」みたいなこと、要するにですね・・(スーさん)

とにかく、自分達のせいで、先生が、徹底的に嫌な思いをしてるというのですね・・(スーさん)




ドラマの見過ぎじゃないですか。(いのうえアナ)

トラウマになるぐらいまで、見せてください・・そうするとですね、勝手に反省をし、落ち込み、そして、俺たちが先生を守らなきゃというですね・・(スーさん)

なんで、勝手にそっちに行くのっていう方向に・・行くような気がする。(スーさん)




でも、ひとつ・・本気でやんなきゃダメですよね、それ・・ちょっとでも、演技感が見えた瞬間に、逆効果です・・なめられます完璧に・・(いのうえアナ)

そう、あいつ俺たちを、騙そうとした・・だから、やっぱり、これは仕込みじゃなくて、ガチで、しおり先生、怒られに行くしか、ないと思うんですよ。(スーさん)

ガチンコで、涙が出てくるとか、そういうことですね・・(いのうえアナ)




そうですね・・やっぱり、大会とかで、このままで、凄い怒られたりした時に、隠したりしないで、生徒たちの前で、しおり先生が、もう・・本当に、謝る、生徒を守る・・っていうのをやって・・(スーさん)




パワーバランスを見よ


あと、もう一個・・折衷案としては・・その、学生間のパワーバランス、いっつも私、人を観察して、パワーバランス見よっていう・・あの、こすいやり方しか、伝えないですけど・・(スーさん)

パワーバランス、大事・・(いのうえアナ)

パワーバランス見て、誰を味方につけたら・・話がうまくいくかなって、ありますよね。(スーさん)




中心人物いますからね、絶対にいるんですよ・・で、表に出ない、子もいるんですよ・・またね、それがまた、難しい・・(いのうえアナ)

誰と、話しをしたら、上手く、伝達していくかなっていう・・(スーさん)

わかりやすい人間関係だったら、いいですけどね・・(いのうえアナ)




そうですね、交渉人として、誰が優秀なのかっていうの、ちょっと・・探すべき・・(スーさん)

それはでも、大事かもしれないです。(スーさん)

なんか先生も、もしかしたら、集団として、ただ見てるだけかもしれないですね・・生徒一人一人というよりも・・(スーさん)




あのね、しおり先生、ブチ切れると、「先生、怒るわよ」なんちって、ギャハハッハ・・ってやられて・・(スーさん)

それはね、やめた方がイイと思う、そこは・・(いのうえアナ)

本当に、そのモノマネをされて、「イエーイ、しおり先生、怒るわよ」だって・・とか言われて、本当に、怒髪天を突いて、疲れるだけなんで・・それ以外の方法で・・(スーさん)