パーソナリティ:勝野洋
回答者:大迫恵美子(弁護士)
相談者:65歳女性 夫66歳 娘2人 夫婦2人暮らし

30年前のことなんですね・・・
泣き寝入りしたくないという心情は痛いほどよくわかりますが
途中から実印に印鑑証明書を渡してたんだなってわかりましたよね

こうなると、どうしようもありません
白紙の委任状を渡したのも同然ですから
今でも時々、実印とかを安易に渡される方がみえますが
怖くて仕方ないです

違う件で渡したのだということはわかりました
お兄さんを信じていたというのもわかります
まさか兄弟に騙されるとは思いませんもんね

テレフォン人生相談でも時々相談になることでもありますが
相続、金銭に関することは
たとえ身内でさえも安易に信用してはダメだということです

一見すれば、鷹揚で度量が広くみえるかもしれませんが
法律的には、怠惰で無責任という評価を与えかねない
というのを覚えておく必要があります

また、実印と印鑑証明を渡してしまうというのは
言語道断

もしも、奇特にも
この文章を読まれている方がみえるのなら
絶対に、実印と印鑑証明書はセットで渡してはいけません

完全に、何をされても文句の言えない状態です

よく、信じてくれないの?
って反応を示す人がいますが
そういうことではありません

最後まで、自分で責任を持つということです

信じる信じないは関係ありません

面倒だと思っても責任を放棄することなく
自分で書類とか、必ず目を通して
捺印してください